マイカーの整備記録・レビュー

インプレッション(レビュー)

【最大の魅力はDSG(DCT)】

DSGのマニュアルモードでのシフトダウン操作を体験してしまうとハマリます。
軽快にブリッピングしてSOHC特有の重めのエンジン音を響かせながらググッとエンジンブレーキがかかり、まるでMT車のようなフィーリング。イヤ、レスポンスはそれ以上。シフトチェンジ時間は公表0.03~0.04秒なので、人間がMT車を操作するより遥かに速い!
高速道路の追い越し時もマニュアルモードにスイッチし、「あんた豆腐屋かっ!」と思わせるくらい瞬時に7→6→5とシフトダウン。そしてアクセルを踏めばグイグイと加速する。
7速は低燃費のための高いギヤ比で、そもそも低馬力車だからシフトダウンさせないと加速しないコンパクトカーゆえの楽しさですね。
まぁあえてキックダウンをさせずにマニュアル操作を楽しむためのクルマでしょうか!

>DSGのドライブ動画はこちら!

6R ポロ

【ドライブフィール】

街中のゆっくりした走行では柔らかめのサスペンションが仕事をしているといった感じでフワフワ動き、少しスピードが上がると車体が一体となって安定感が増し、短いホイールベース&トレッドなのに跳ねるような動きもなく上質な印象を受けます。

交差点のような90度位の右左折時、セルフステアでステアリングが元に戻る感覚が絶妙に気持ちよいです。復元力の重さ加減と直進性は快適そのものですね。

コーナリング時はリアのグリップ感が強く、高いボディ剛性と足回りのセッティング技術なのでしょう。
タイヤの限界を知るために安全な場所でコーナリング実験しましたが、キュルキュルっと鳴くとゆっくりアンダーが発生してとても扱いやすく、楽しいハンドリングをもたらします。
1トン強の車重に対して185のタイヤは限界が低いからコントロールしやすい反面、タイヤの細さからそれなりに制動距離は長く、前方や周囲には気を配る必要があります。

高速道路では足回りの安定感がてき面に感じ取ることができ、道路の継ぎ目などのギャップを通過したときに車体が水平のままショックを吸収しているのが分かります。
よくありがちなグラグラっと4輪バラバラの動きをして憂鬱になることもなく、ステアリングを汗で握るようなこともありません。

このPOLOは2009年に5代目としてデビューした設計の古いクルマだけど、今だにこのドライブフィールを越える同クラスのコンパクトカーが存在するのか疑問ですね。

昔からポンコツイメージが拭いきれないVWも、足回りだけは他社が追随できないほどの逸品といったところでしょうか(;´Д`)

また、自然なフィーリングの油圧パワステと相まって、ステアリングに軽く指を添えているだけで真っ直ぐ走行でき、長距離ドライブも快適です。ただ、ボンネットが視界に入らないので、スピードを出すと心理的に少々怖さを感じてしまいますね。


【低燃費】

日常の給油として、高速(郊外)50%+都内走行50%の満タン法で平均16km/L前後。高速のみでは20km/L以上。
当日の平均燃費計では、地方の信号機の無い道路だと、下の写真のように驚異的な燃費もたたき出せます。最高の数値を求めて、エコ運転にも力が入るものです。

6R ポロの燃費表示

【センスのよい地味なデザイン】

地味な雰囲気だけど、無駄な装飾は全て排除したスクエアなデザインは好感が持てます。モデルチェンジで陳腐化させるような意図も感じられません。
センスの良いヘッドライトとテールランプがデザイナーの熱意を感じますね。ポジションを点灯させると柔らかなグラデーションのかかった光り方は空気感を醸します。
コンパクトカーでは珍しくエッジの効いたキャラクターラインも◎。

6Rポロのテールデザイン

【月並みな点】

ドアを閉めたときの音が重厚で心地よい!
腰痛にならないシート!サイズは小さいけど・・

【イマイチな点】

★アドリングストップ機能
6RCBZはエンジンスタートの度、手動でセルを回したような"ブルブルンッ"と振動が伝わります。SOHCのエンジンだからしょうがありませんね。後期型の6RCJZはとても静かなのでその差が大きすぎ!
なので、アイドリングストップOFFボタンを押しておくか、またはブレーキペダルを弱く踏んでエンジンを回したままにしています。燃費も変わらないような気が・・・

6Rポロのアイドリングストップしない状態

★ウィンカーレバー

やっつけで作ったと思わせるレバー(;´Д`)
プラスチックのつぎ目に指があたるとチクチクして不快。
タミヤのプラモデルの方が精度が高い(;´Д`)

★虫の鳴き声

なにやら、エンジルームから鈴虫の声が・・・。秋口に居なくなりました。森に帰ったのかな?(;´Д`)
VWらしいと言ってしまえばそれまで。この先、残念な不具合に見舞われないことを祈るしかありません。ドキドキ(;´Д`)


(2015年12月吉日)

【2019年秋追記】

走行距離も増えてショックのアタリが柔らかくなると、ますます乗り心地が快適になり、コーナリング時もロールが少し大きくなったためか「人馬一体」感が楽しめる不思議なクルマです。
国産高級車でもよく見られる高速巡航時の暴れ馬のような不快なピッチングも発生していません。
中央道の大月ICから30kmほど離れた場所からの帰り道、以下のような平均燃費のMAX数値が叩き出せます。下り坂がメインなので、フューエルカットが働くから燃費は激伸び!
その後、高速に入って渋滞にもはまり、自宅に帰宅するときの1日の平均燃費は約22Km/L。(アイドリングストップ機能はOFF)
燃料費だけで見ると、片道110Kmを移動してハイオクガソリン5L消費×@143円=715円!
ハイブリッドやレンジエクステンダーでもない、ただのダウンサイジングターボなのにホントよく走ります。スズキがかつてこの技術を習得したかった理由が分かります。
また、POLOの特長であるトルクフルなキビキビした動きは、前回のプログラム初期化時から衰えることなく健在!

2019年秋 メーター写真

先日、ホンダの新型N-WGNが発表されたとき、世界のコンパクトカーの基準である6R-POLOをベンチマークとして操縦性にこだわったなんてエピソードが印象的でした。
以前にスイフトもスズキのエンジニアが同じように発言されていましたね。
これらのクルマはPOLOを超えることができたのでしょうか?
精度の高い工業製品を作る技術は日本のメーカーは世界一だと思うけど、五感を刺激するような製品作りは10年経ても超えられない壁があるように感じますね。
今では5ナンバー車としても貴重な存在の6R-POLO!

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